Life On Wheels

どこまでが芸術家でどこからが起業家なんだろう。

動く「家」を作ってみた

 

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僕は動く家に憧れていた

 tiny houseに心奪われたきっかけ

高校に入学したてかそのくらいの時だったと思う。
ある一つの動画をyoutubeで見つけてしまった。

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動画はスノーボーダーの三人が車で牽けるトレーラーの上に家を建てていくところから始まる。
「彼らが家を手で作っている様子、しかもトレーラーなので車で引っ張れて好きなところで生活できる」その事実だけで一瞬にしてこのビデオに引き込まれた。

家って何十年もかけてローンを組むもんじゃねーのか!?
てか家が道路を走れんのか!?

スイスイと道路を家が走っていく様子を見て「不動産」という常識がぶっ飛んだ瞬間だった。

動画の彼らは雪のあるシーズン中だけの生活だったが「A Quest For Powder」という題名からも分かるようにひたすらパウダースノー、しかもまだ誰も滑っていない斜面を求めてひたすら北へと移動する。

彼らを突き動かす動機は極めてシンプルで「誰も滑ってないふわふわの雪で滑りたいやん」。それだけ。

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その潔さをいいバランスで支えているtiny houseという文化。
途中で車が故障してダクトテープで修理する場面があるんだけど、全く辛そうじゃない。むしろ、いい味出してる。

故障とか隙間風とか普通ならマイナスのはずなのに、それらをも前向きに捉えて、対処する。
プロの建築家じゃないから完璧な空間じゃないかもしれない。でも、自分たちの手で作るからこそ家も自分も常に進化していく。

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「作る、動かす、暮らす」この三要素ががっちりと組み合って、マイナスの事象もプラスに強制変換される生き方。

うん、最高。

こうして親しい友達にはtinyhouse をひたすら進めて洗脳するという高校生活が始まった。

東京の家賃高杉問題 

そして19歳になって東京に出てきた。
 福岡の北九州の山の中で育ち、大学でも仙台の山の学校に進学した僕。

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「山 to 山」の人生を送ってきた自分にとって東京の家賃は異常値だった。
シェアハウスでさえ仙台では一人暮らしできる値段。
部屋を借りようものなら、、考えるだけでもおぞましい。

その頃の僕はまだ「振り切り力」が乏しかったので結局シェアハウスに入居した。
当たり前だがシェアなのでパーソナルスペースは全くない。
それよりも一番の悩みどころは「工具が使えん!」

 12時以降は洗濯機禁止の部屋で1時にグラインダー使いたくなったらどうするんだ。
教えてくれ東京都民。

「何も作れないじゃないか」

そうこう生活しているうちにtiny house が自分の中で大きな選択肢として膨らんできた。

 やってみればいいじゃん

友達と東京での生活、 「tiny hosue」の可能性について喋っていると。

「え?作ってみればいいじゃん」と一言。

多分、軽い一言だったと思うんですけどレンガで後頭部を殴られた感覚でした。

、、、、、、、

てことで

 

 

 

軽トラを選んで。

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床貼って

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断熱材入れて

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友人と人生を語って 

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大体できて

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芝生貼って完成。

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あとは本能の赴くままに動くだけ

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実際に動いている動画 

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インターネットもテザリングすれば使える。
むしろギガモンスターはこのために生まれたのではないか説。
ソーラーやバッテリーで電気も使える。

空間が小さいから無駄なものは持ち込めない。
本当に必要なものを教えてくれる。

学生でもバイト頑張れば十分に作れる費用。

「自分にとっての最適な場所」はどこですか。
たとえば、それは海のそば、潮の香りが漂う場所。森の中、新緑や澄んだ空気に癒される場所。川のせせらぎに心洗われる場所。大切な人たちと大切な場所で、もっともっと自由に暮らしていきたい。
だからシンプルに考えよう。
もっとミニマルに生活しよう。

アンチテーゼとしてのtiny house

これからAIやレコメンド機能の進歩、IoTの浸透ですぐに答えが手に入れられる世界がやってくる。

でも忘れてはならないのは人生のほとんどが偶然性の上に成り立っているということ。

kindleで抜け落ちているのは、図書館に自ら足を運ぶ物理、身体的移動。 「偶然気になった本を手にとってそのまま借りて帰る」といった儚くも重要な偶然性は再現できない。

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ネットが便利だからこそ、移動することがめんどくさいからこそ、ストリートビューじゃなくて「動く」べきだ。

僕自身、実際に動くからこそ出会ったいろんな偶然があった。

意識してグーグルのレコメンドを裏切ることで「new!! 検索ワード」が見つかって、より深くネットの世界に潜ることができる。

 「速く、大量に」という見えやすい世界の下は言語化できないような大量の偶然が満ちている。

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「面白そう」から「体験してみる」のハードル

このブログを見て「面白そう」とか「実物を見てみたい」と思った人も少しいるかもしれません。

僕も初めてtiny house を知った時、自分の目で見たかったものの周りにはそんな人いないので「面白そう」のまま止まってしまってました。

多分この文章を読んでいる人は東京のスタートアップ界隈の人が多いと思います。
もし興味があってfacebookでもtwitterでも連絡をくれたらすぐにでも会って話したいし
数時間でも移動する家を体験して欲しいです。

VRと一緒でどれだけ文章で説明しても「百聞は一体験に如かず」なんですね。

今回、僕がtiny houseを作ったことで実際に体験するまでのハードルを下げました。

しかも今、tiny houseを使ったコミュニティを爆誕させる準備をしています。

「乗るより作ってみたいんだよ」っていう僕よりの方も是非。

しかも軽トラには二人乗れるのに一つ席が余ってるんですね。

誰かこのライフスタイル、共に世界に広めていきませんか。

僕の全く知らない出会いがここから生まれる「偶然」があることを祈って。

 

twitter.com

mail: riku910.murakami@gmail.com

 

(参考リンク)

yadokari.net

courrier.jp

www.youtube.com

ハーバード発tiny houseスタートアップ

getaway.house