【触覚編】五感をハック:実用例まとめ
触覚をハックする驚きの技術。
今回の「【視覚編】実用例まとめ」でプラズマ発光させる3Dディスプレイを紹介したのでそれとは少し毛色の違うテクノロジーを紹介したいと思います。
触覚
二点弁別閾
このワードを聞いてわかる方はいるでしょうか?
体表面上の2点に機械的刺激をあたえたとき,視覚によらずにこれらが別々の刺激によるものであると識別できる最小の距離を二点弁別閾という。
だそうです。
実は人間の指先の二点弁別閾は 2〜3 mmと言われています。
つまり針2本を1mmの間隔で指に当てたとします。
すると人間の脳は一点だけを刺されているように感じるんですね。
このことを知った上で次の触覚を再現する技術を紹介しましょう。
目指すは手で見るテレビ
視覚に障害があると、「地図」のような2次元情報や「美術品」などの3次元情報を目から得ることができません。
そういった人のために、仮想物体の形状を実物に近い感覚で伝えることができる力覚提示装置と、触れただけで図の重要な場所が分かる触覚ディスプレイを、NHKが開発しています。
言葉では表現できない情報を触覚で伝えるものです。
まずは、「複数の刺激で仮想物体を再現する5点分布刺激型力覚提示装置」。指先の5点を刺激することで、実際に指で触れたときと同じような力覚を得られるという装置です。
ここで二点弁別閾を思い出してみましょう。
刺激する二点は2〜3mm離さないと脳は勝手に一点と錯覚してしまうのでした。
そんな数値はNHKは公表していませんが、周辺知識を知っているだけでフッと
「もしかしたら4mmくらい離してるのか?」
と考えるきっかけになります。
一見いつ使うかわからない知識でもふと使える瞬間があるんです。
話を戻して従来の1点接触型の力覚提示装置はこんな感じ
装置の先に指をセットすると、仮想物体をなぞったとき、物体の稜線や尖ったところで抵抗を感じるようになっています。
指への刺激は点数が多い方が特徴を把握しやすくなります。今回の装置のポイントは5点ということ。
ここに指を差し込みます。
右側のディスプレイに映っている仮想どーもくんを触っているところで、歯のギザギザした感じやくりっとした目の感触が確かめられます。
最後に
あなたが無駄と感じているその知識。いつどんな形でタメになるかわかりません。
私もこれからいろんな分野を覗いてみようと思います。