Life On Wheels

どこまでが芸術家でどこからが起業家なんだろう。

【聴覚編】HMDとの併用でとてつもない没入感(バイノーラル録音)

みなさんこんにちは。

朝9時から夜11時までぶっ続けプログラミングに勤しんでいるりくです。

集中したら時間が5倍ぐらいで進むので1日28時間くらい欲しい。
でも今日は次なるサービスリリースに向けての大枠を作ったのですがかなりいい感じで上機嫌です。

このテンションのまま「五感をハックシリーズ」第2弾行こうと思います。

本日は聴覚編ということで先日の視覚編に続き、巷で流行(?)しているテクノロジーをピックアップしていきましょう。

聴覚

ステレオ録音の副作用”脳内定位”とは

人間とは切っても切り離せないほど大事なもの、「音楽」

私も外に出かけるときは必ずイヤホンをして出て行きます。

みなさん「ステレオ録音」というワード一度は耳にしたことがあると思います。

現在世に出回っている音源のほとんどが「ステレオ」方式によって録音されているのですが一度その概要を掴んでおきましょう。

ステレオ録音とは、モノラル録音が一つのマイクからなのに対して、

二つ以上のマイクを使用した、録音を指します。

マイクが2本になることで音源からの時間差が録音され、上下左右に広がる立体的な音場が形成されます。

モノラルだと奥行きは再現されますが、左右の広がりは難しくなります。

 

ここで上の引用文をよく見てみると ”立体的な音場が形成されます” とありますね。

つまりLとRの二つのスピーカーで聞くことが前提としてあるのです。

実際、スピーカーでステレオ録音された音源を再生した際モノラルに比べてよりリアルな音場が形成されることがわかっています。ここでは詳しくは書きませんがこのことを前方定位といいます。

本来人間はその環境や前後左右などの方向情報が加わった聴覚情報をもとに音を認識しています。

ステレオ録音は前提がスピーカーによって空間に音場を形成することにあるため、それをそのままイヤホンで聞いてしまうと頭の中で定位ができてしまい脳内で音が響いているような感覚になってしまいます。

これがステレオ録音の副作用「脳内定位」というものです。

打開策はいつでもシンプル

ではどうすればイヤホンやヘッドホンでリアルな音を再現できるのか。

そこで出てきたのがバイノーラル録音です。

バイノーラル録音(バイノーラルろくおん、 英語: Binaural recording)とはステレオ録音方式の一つで、人間の頭部の音響効果を再現するダミー・ヘッドやシミュレータなどを利用して、鼓膜に届く状態で音を記録することで、ステレオ・ヘッドフォンやステレオ・イヤフォン等で聴取すると、あたかもその場に居合わせたかのような臨場感を再現できる、という方式である。

 

おそらく聞いたことのある方も多いと思いますが何個かサンプルを乗せておきます。

(※もちろんヘッドホン推奨)


バイノーラルマイクでいろんな音を録ってみた / Binaulal Various 3D Sounds


【10分耐久】しゅわしゅわ耳を煮る ASMR Sparkling, Boiled Sounds

どうでしたか?

予想通りとてつもないリアリティですよね。

でも原理は本当に簡単です。

イヤホンでリアルな音が聞きたい→鼓膜の近くにイヤホン音源がある→左右耳の中で録音したらいい

と文章にすれば当たり前といえば当たり前の方法です。

実際にバイノーラル録音は人間の頭部の形や耳を模したオブジェクトを用いて録音します。

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こんな耳がついたマイクや

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よりリアルにするためch数を増やそうとすればこんなカオスなマイクも出来上がります。

実は1つ目のマイクで三十万円以上の値段がします。
下のカオスマイクがどれだけの値をはるのか想像に難くありません。

バイノーラルマイクなんて自作できる

そんな値段を見ていると何か大事なことを見落としているような気がしますよね。

人間の頭を精巧に再現するから高くなるんです。

これ以上ない精巧な頭をみんなもっています。自分の耳の中にコンデンサーマイクでも突っ込めば数百円でDIY可能です。

matome.naver.jp

興味がある人は自作してみても面白いかもしれません。

アニメ大国日本においての擬似感覚デバイスとは

昨日の記事 「五感をハックするシリーズ」(視覚編)ではVR HMDOculus riftについてまとめました。

実はOculusが開発者向けSDK第二弾を発表した時、創設者のパーマーラッキーは日本へ最優先で発送すると公言しました。

それはなぜか、Oculusによると第一弾SDKを提供した際、購入分母に比べて実際にアプリをリリースした数とそのスピードが世界でも群を抜いていたからだそうです。

ラッキー自身初音ミクのファンであり、擬似感覚という分野と特異なカルチャーを持つ日本はとても相性がいいことの裏付けでもあります。

視覚と聴覚という二大感覚をハックできつつある今、この技術をどんなアプローチで社会に落とし込んでいくか考えなければなりません。

バーチャルな世界をリアルに作り上げる尖ったテクノロジーはこれからも日本で続々と生まれてくるでしょう。

今普及しているデバイスでどれだけおもろいことができるか。

誰もが持つイヤホンを使ってこれだけ表現力をあげたバイノーラル録音は素晴らしいですね。

 

今回の記事にまつわるワード(気になった人用リンク)

ascii.jp

nlab.itmedia.co.jp

次回は五感をハックするシリーズ「触覚編」を書いていこうと思います。

では!